47都道府県マラソン制覇を目指しているSHISHIです🦁
最近、トレイルランニングにどっぷりハマっています。
軽井沢、いいづな、白馬……とトレイルレースに出場するうちに、山を走ることが練習の中で欠かせない存在になってきました。
でも、始める前はこんなことを思っていました。
「山に行っている時間があるなら、ロードで追い込んだ方がいいんじゃないか」
同じように感じているロードランナーの方も多いと思います。毎日同じアスファルトを走り続けて、タイムが伸び悩んでいる。脚が痛くなりがち。同じ景色に飽きてきた——そんな悩みを感じているなら、この記事がヒントになるかもしれません。
実際に両方やってみると、トレイルにしかない走力アップの効果があるとはっきり感じています。今回はロードランナー目線で、山を走るメリット・デメリット、そして具体的な取り入れ方を正直にまとめます。
一目でわかる!ロード練習とトレイルランの違い
| 項目 | ロード練習 | トレイルラン |
|---|---|---|
| 主な路面 | アスファルト・コンクリート(硬い) | 土・木の根・岩・不整地(柔らかい・複雑) |
| 主な使用筋肉 | 前進するための一定の筋肉(ハムストリングス等) | バランスを取るための全身の筋肉(体幹・内転筋群等) |
| 着地衝撃 | 高い(体重の3〜5倍が同じ箇所にかかり続ける) | 低い(路面が柔らかく、着地位置が毎回変わる) |
| 強化される要素 | 一定のペースを維持する巡航能力・ピッチ | 着地筋・心肺機能・体幹・瞬発力 |
| ペース管理 | しやすい(インターバル・ペース走が可能) | 難しい(心拍数・時間が目安になる) |
この表を見るだけで、ロードとトレイルは「対立するもの」ではなく、鍛えられる部分がそもそも違うことがわかります。
市民ランナーが「山」を走る3つのメリット
① 天然のインターバルトレーニングによる心肺・筋力強化
急な登りでは、意識しなくても心拍数が一気に跳ね上がります。下りでは着地筋(大腿四頭筋)が強烈な負荷を受け続けます。この繰り返しが、ロードの平地では得られない心肺への刺激と筋力強化をもたらします。
しかもこの負荷が「キツい」と感じにくいのがトレイルの面白いところです。景色が変わり、次のコーナーの先が気になって、気づいたら追い込んでいる。ロードのインターバルは「意識してキツくする」ものですが、トレイルは「コースが勝手にキツくしてくれる」感覚があります(笑)
実際に研究でも、トレイルランニングがVO2max(最大酸素摂取量)の改善に効果があることが報告されています。
僕自身の体感として、山を走り込んだ翌週にロードを走ると「登り坂が平坦に感じる」瞬間があります。脚の筋力と心肺に余裕が生まれている感覚です。
② 体幹と足首の安定性が上がる(プロプリオセプションの向上)
木の根、石、泥——トレイルは一歩ごとに路面が変わります。この環境を走り続けることで、**足裏全体で地面を捉える感覚(プロプリオセプション:固有受容覚)**が自然に鍛えられます。
これがロードに戻ったとき、体幹のブレが減り、フォームの安定性として現れます。同じ路面を同じリズムで走るロードだけでは、なかなか鍛えられない部分です。
トレイルでは一歩一歩丁寧に着地するので、ロードに戻ったときに無駄な動きが減る感覚があります。特に後半の体幹の崩れ方が変わってきたと感じています。
③ 着地衝撃の分散による怪我の予防
アスファルトを走ると、体重の3〜5倍の衝撃が毎回同じ箇所にかかり続けます。これが膝・シンスプリント・腸脛靭帯症候群などの「使いすぎ故障」の原因になります。
トレイルは路面が柔らかく、毎回着地する角度も位置も変わるため、特定の関節や腱へのストレス集中を防ぐことができます。疲労が溜まっている時期や、怪我から回復中の時期に山を走るのは、アクティブレストとして理にかなっています。
月間走行距離が増えてきたランナーにとって、トレイルは「疲れを溜めずに練習量を確保する」手段としても機能します。
知っておくべきデメリットと2つの注意点
正直に言います。トレイルにはデメリットもあります。
① ペース感覚(1kmあたりのラップ)が完全に狂う
「キロ4分30秒」というロードの感覚は、山では完全に通用しません。急登ではキロ10分以上かかることも普通ですし、下りでは想定外に速くなることもある。
ここで大事なのが、速度ではなく「心拍数」や「時間」を目安に走る頭の切り替えです。GARMINのハートレートゾーンを使って、心拍数が一定範囲に収まるように走る——そういう感覚に切り替えるだけで、トレイルの練習がぐっとやりやすくなります。
ただし、「ロードだけ走っていてもロードのタイムは上がらない」のと同様に、「トレイルだけ走っていてもロードのタイムは上がらない」という現実は忘れないようにしています。スピード練習・ペース走はロードで確実にやる必要があります。
② 捻挫・転倒のリスクと「ロードとは違う集中力」
ロードをぼーっと走る感覚でトレイルに入ると、一瞬で足をひねります。木の根、石の出っ張り、ぬかるみ——常に数歩先を見る視線管理が必要になります。
また、不整地での走りは足首捻挫のリスクが高く、急な下りでは膝への負荷も大きくなります。「ウォームアップなし」「疲労状態でのトレイル」は怪我のリスクが特に高いとされています。
ロードシューズのままトレイルに入るのも危険です。グリップ力のあるトレイルランシューズを用意することは最低限の準備として必須です。
ロードの走力を上げるための「上手な山の取り入れ方」
「ただ山を走ればいい」というわけではありません。目的意識を持って組み合わせることが大切です。
おすすめの頻度は「隔週〜月1〜2回」
週末のロングランのうち、月に1〜2回を山に変えるだけで十分なクロストレーニング効果が得られます。毎週山に行く必要はなく、ロードの練習を軸にしながら「補完」として取り入れるイメージです。
僕自身は今、月間走行距離の20〜30%程度をトレイルに充てています。
取り入れるべき時期を見極める
おすすめの時期
夏場はロードが暑くて練習の質が落ちやすいですが、山は気温が低く快適に走れます。夏場のトレイルは「避暑トレーニング」として最高です。また、秋のレースに向けた「足作り期(基礎構築期)」にトレイルを入れることで、筋力と心肺の底上げができます。
控えるべき時期
本命のロードレース1ヶ月前からは、山は控えるのがおすすめです。レースに向けて「一定のペース感覚」と「ロード特有の筋肉への刺激」を積み上げる時期に、ペース感覚が狂うトレイルを入れるのはリスクがあります。
| 時期 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 夏(7〜8月) | ◎ | 避暑・基礎筋力強化に最適 |
| 秋レース前2〜3ヶ月 | ○ | 足作り期として有効 |
| レース1ヶ月前 | △ | ペース感覚を狂わせないためロード中心に |
| レース直後のリカバリー期 | ○ | 柔らかい路面で体を動かすアクティブレスト |
まとめ
- ロードとトレイルは「鍛えられる部分がそもそも違う」——対立ではなく補完関係
- トレイルの登り下りは天然のインターバル。VO2maxと着地筋を同時に強化
- 不整地が体幹・足首の安定性(プロプリオセプション)を高め、ロードのフォーム改善につながる
- 柔らかい路面が着地衝撃を分散し、使いすぎ故障の予防になる
- デメリット:ペース感覚が狂う・捻挫リスク・レース直前は不向き
- 頻度は月1〜2回、夏と基礎期に取り入れるのがベスト
ロードとトレイルは、対立するものじゃない。うまく組み合わせることで、ロードだけでは鍛えられない部分を補強しながら、走ることの楽しさも倍増します。
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